「印刷会社へのマーケティングで、導入事例は最も重要なコンテンツ」。導入事例のアウトソース化によって得られた成果とは

コニカミノルタジャパン株式会社
mojikaku_case_konicaminolta-7

(左より)コニカミノルタジャパン株式会社 白井 杏奈氏、清野 治樹氏

課題

導入事例の内製化を試みたものの、1本の制作に1週間もかかりっきりになっていた

導入

取材の進行から納品される初稿まで、安心してお任せできる

成果

導入事例にかかっていたリソースを、他のマーケティング施策にシフトできた

DXによる「創注・受注拡大支援」と「生産性向上支援」を実現し、印刷業界への貢献をミッションに掲げる、コニカミノルタジャパン株式会社のプロフェッショナルプリント事業部。同事業部では、プリント連動型のMAである「Printバル」や、印刷通販専用のオンラインショップ構築パッケージ「in2site」といったデジタルソリューションの販売拡大に取り組んでいる。

2022年から本格的にマーケティング施策を展開する中で、お客さまから求められることが多かったコンテンツが導入事例だという。導入事例の制作に注力することになった印刷業界ならではの背景や抱えていた課題、そしてモジカク社との取り組みについて、ご担当者様にお話を伺った。

<お話を伺った方>

プロフェッショナルプリント事業部 プリントソリューション統括部
マーケティングソリューション販売推進部
クロスマーケティンググループ
グループリーダー
清野 治樹氏

プロフェッショナルプリント事業部
プリントソリューション営業統括部 マーケティングソリューション販売推進部 クロスマーケティンググループ
白井 杏奈氏

印刷業界のDXを推進するため、デジタルソリューションの拡販に取り組む

- プロフェッショナルプリント事業部 マーケティングチームのミッションを教えてください。

清野 治樹氏(以下、敬称略):印刷会社向けのMAツール「Printバル」の拡販が、2022年に取り組んだミッションでした。

現在の印刷業界は、デジタルの活用が少しずつ進みつつある過渡期の真っ只中です。だからこそ弊社の「Printバル」の拡販においても、デジタルをしっかり活用しつつ、戦略的にマーケティングを実践することが、業界を盛り上げることにつながると考えていました。

ただ、以前のプロフェッショナルプリント事業部内ではマーケティングという発想があまり浸透しておらず、印刷機や印刷物を中心としたプロダクトアウト的な発信ばかりだったのです。そうした状況だった頃に白井が入社し、社内へ課題提起をしてくれたことでマーケティングに本腰を入れることになりました。

- デジタル化の過渡期にある印刷業界には、どのような課題や特徴があるのでしょうか。

白井 杏奈氏(以下、敬称略):他の業界と比べても、デジタルに対して強い苦手意識を持っている業界だと感じています。たとえば商談中に少しでもカタカナ用語を使ってしまうと、まるでアレルギー反応のようにお客さまの心が遠のいてしまうのです。もちろん、デジタル活用の重要性はお客さまもよくご理解されているのですが、どうしても心理的な壁があるようでして……。

「Printバル」のマーケティングでは、こうしたお客さまの心理的な壁を乗り越えることを最重視しています。

mojikaku_case_konicaminolta-1

印刷業界で商材を拡販する上で、導入事例が最も重要なコンテンツであるワケ

- 「Printバル」のマーケティングにおいて、導入事例はどのような立ち位置なのでしょうか。

清野:印刷会社へ商材を拡販していく上で、導入事例は最も重要なコンテンツだと私は考えています。その理由として、横のつながりを重視する印刷業界ならではの独特な文化が挙げられます。

印刷会社はお互い、ビジネス上のライバルでありつつも基本的には友好関係にあることがほとんどなのです。トラブルがあっても話し合いで解決しようとしたり、同じコミュニティ内で交流会やパーティがあったり、そして自社の成功・失敗体験を他社にも共有したりと、共存共栄の文化があります。

そのため、有名な印刷会社さんや自社と似た規模の印刷会社さんの取り組みに対して、積極的に情報収集しようとされる傾向が強いように感じます。

mojikaku_case_konicaminolta-3

白井:私が入社して驚いたのは、商材の初回提案の際に「その商材にはどんな事例があるのか」と、必ず聞かれたことです。正直なところ、導入事例のほうがサービス資料よりも重要なのでは、と思えてしまうほどでした。

サービスを詳しく知りたい方はこちら

      

サムネイルへのこだわりやプレスリリースへの活用。印刷業界ならではの工夫とは

- 貴社の導入事例において、印刷業界ならではの工夫があれば教えてください。

白井:大きく三つの工夫があります。一つ目の工夫が、可能な限りサムネイル画像には取材させていただいた方のお顔が写った写真を使用していることです。

以前、Webサイトへの流入元を確認したところ、Googleの画像検索からサムネイルをクリックし、導入事例ページにたどり着いたユーザーが多いことに気が付きました。おそらく、デジタルにまだ苦手意識を持っている方の場合、長い文章を上から読んでいくよりも、画像の方が直感的に感じ取れるものがあるからではないかと考えています。

そこで画像検索をされたユーザーにより親近感を感じていただくため、サムネイル画像には取材させていただいた方の笑顔の写真を選定するようにしています。

二つ目の工夫が、業界紙に掲載されるようにアプローチするため、導入事例を自社サイトで公開したら必ずプレスリリースとして配信することです。印刷会社の多くが業界紙をチェックしており、他の業界と比べても業界紙に掲載されることによる広報効果は大きいのです。事例取材にご協力いただいたお客さまにとっても、プレスリリースとして配信されること、さらに業界紙にも掲載されることになれば、自社の宣伝にもつながるとのことで、好意的にご協力いただいています。

清野:三つ目の工夫は、より多くの読者に「自社も真似をすれば、同じように成功できる」と感じていただくことです。そのためにまず、取材先の選定では、会社の規模や地域、課題がなるべく既存の記事と被らないように工夫しています。また、導入事例の内容には課題解決の手段と、解決までの流れを盛り込むことを意識していることも、工夫として挙げられます。

mojikaku_case_konicaminolta-8

1本の導入事例制作に1週間もかかりっきり。他のマーケティング施策に悪影響が

- 弊社に導入事例制作をご依頼いただくきっかけとして、以前はどのような課題を抱えていましたか。

清野:モジカク社に依頼する以前の事例取材では、お客さまが抱えていた課題や体験談を、どこまで深掘りできているか、正直自信がない状態でした。実際、当時公開していた事例記事の内容は、どれも同じような視点で書かれ、同じような内容だったと思います。

白井:1本の導入事例だけ、取材から執筆までをすべて私1人で手掛けた記事があるのですが、その時「事例の取材ってこんなにも大変なのだ」と感じましたね。

まず、取材自体が大変です。取材の雰囲気作りやフォトグラファーさんへの撮影ディレクション、聞き漏れが起きないようなインタビューを、緊張感がある現場でこなさなければなりません。そして取材後の執筆作業では、文字起こし作業だけで8時間もかかり、私の業務時間を使い切ってしまい……。結局、初稿を作成するまで1週間は執筆作業にかかりっきりで、他のマーケティング施策が止まっていたのです。

その時の苦い経験から、社内の限られたリソースだけで導入事例を作り続けるのは難しいと判断し、社外の協力を仰ぐべきとの結論に至りました。

mojikaku_case_konicaminolta-4

取り組みの決め手は、取材から納品初稿まで、安心して任せられること

- 導入事例の制作パートナーを探す際、どのように比較検討されましたか。

白井:前職でもライターさんや編集プロダクションさんとお仕事をする機会はあったのですが、「この方だ!」という出会いがなかったのです。たとえば、記事クオリティが良くても取材時のマナーや言葉使いに違和感を感じたり、相手の話をうまくコントロールすることができず、聞きたい質問が一つも聞けないまま取材時間が終わってしまったりと、満足できるパートナーさんに出会えませんでした。

そうした状況が続いていたところ、前職の導入事例制作でご一緒したのが、モジカク株式会社でした。

- 弊社の導入事例制作サービスについて、どのような点を評価いただいていますか。

白井:取材の進行から納品される初稿まで、安心してお任せできるほどレベルが高いことです。

過去に他社のライターさんに取材をお願いした際、「今の質問は導入事例のどこに使われるのだろうか」「今日の取材で、本当に良い導入事例になるのだろうか」と不安になることがあったのです。しかし、モジカク社の質問は的を射ているものばかりで、取材に同席しているだけで納品される導入事例のイメージが浮かび上がります。その時にイメージした内容がそのまま初稿として納品されるため、取材内容と初稿にギャップがありません。

清野:取材当日の場作りが秀逸なこともポイントですね。事例取材をさせていただく方々は、長くお付き合いいただいている大事なお客さまです。だからこそ、取材でご迷惑をおかけすることは絶対にできません。

モジカク社の大木さんは、大手企業でのビジネス経験があり、これまで多数の事例取材を実施されてきたので、取材の現場で不安になることはありません。また、事前に質問項目を準備いただけることも、信頼してお任せできる要素です。

mojikaku_case_konicaminolta-2

導入事例にかかっていた手間が軽減。さらに取材後、お客さまからお褒めの言葉も

- 弊社の導入事例制作サービスで、以前に抱えていた課題は解決されましたか。

白井:導入事例の制作にかかっていた手間がほとんどなくなりました。弊社側の業務は、取材先の企業選定や担当者の方とのコミュニケーション、記事内容の確認とお戻し、そして公開作業だけになりました。ただ、記事内容にはほぼ手直しが発生しておらず、お客さま側からも大きなお戻しが発生することは多くありません。

取材の準備や当日の進行、記事の執筆といった、導入事例制作の手間と時間を大幅に削減できたことで、その他のマーケティング施策の企画やお客さまとのコミュニケーションに時間を充てることができるようになっています。

- 制作した導入事例で、どのようなマーケティング成果が得られましたか。

白井:Webサイトへのアクセスを分析した結果、直近の1ヶ月に届いたお問い合わせのうち、75%が事例ページを閲覧していたことが分かりました。これはお客さまの多くが導入事例に対して強い興味を持っており、記事をしっかり読んだ上で資料請求をされていたことを示しています。

mojikaku_case_konicaminolta-6

- 取材先のお客さまからはどのような感想がありましたか。

白井:印刷会社の方々は、写真や記事内容のクオリティに厳しいのですが、お礼メールの内容からとても満足されていることが伝わってきます。

実際、先日取材させていただいたお客さまからのメールには「プロの仕事はやはり違いますね」といったお言葉があり、記事内容は一発でOKが出ていました。

“一人マーケター”こそ、導入事例の制作はアウトソースすべき

- 今後の展望をお聞かせください。

清野:弊社が扱う商材やサービスは、将来的にもっと増やしていきたいと考えています。今後のサービス展開にあわせて、より多く、多彩な導入事例を制作していきたいと考えています。

また、制作いただいた導入事例の活用方法もさらに模索していきたいですね。導入事例は自社サイトに掲載するだけでもリードナーチャリングの効果がありますが、ホワイトペーパーとしても活用することでリードの獲得にも繋げられないかと考えています。

mojikaku_case_konicaminolta-5

- 弊社の導入事例制作サービスは、どのような企業におすすめできるでしょうか。

白井:メーカーからSaaS企業まで、どのような業種、業界でも、導入事例が必要な企業にはおすすめできます。導入事例を制作したことがない企業だけでなく、導入事例を自力で制作している方や、いわゆる“一人マーケター”として孤軍奮闘されている方には特におすすめしたいですね。

※ 文中記載の組織名・所属・肩書き・取材内容などは、すべてインタビュー時点のものです。
※ 事例は一例であり、すべてのお客さまについて同様の成果を保証するものではありません。

コニカミノルタジャパン株式会社
(KONICA MINOLTA JAPAN, INC.)

https://www.konicaminolta.jp/business/index.html
所在地:〒105-0023 東京都港区芝浦1-1-1 浜松町ビルディング 26F
設立:1947年10月
資本金:3億9,710万円
事業内容:複合機(MFP)・プリンター、印刷用機器、ヘルスケア用機器、産業用計測機器などの販売、並びにそれらの関連消耗品、ソリューション・サービスなど。 新規注力事業の強化・拡充のための開発、企画、マーケティングなど。

大木一真/Kazuma Oki

株式会社サイバーエージェントに新卒入社。ビジネスメディア「新R25」立ち上げチームの編集者として参画。退職後、株式会社AViC(東証グロース)創業期より執行役員を務める。その後独立し、編集プロダクションであるモジカク株式会社を設立。Forbes JAPAN や MarkeZine 等のビジネスメディアやSaaS企業の導入事例を中心に執筆活動を行なう。

Twitter:@ooki_kazuma
facebook:kazuma.ooki

サービスを詳しく知りたい方はこちら

      

資料請求フォーム

    会社でお使いのメールアドレスをご記入ください。

    その他、気になる点やお問い合わせ事項がありましたらご記入ください。

    ※送信ボタンを押すと、確認画面を挟まず送信されます。
    ※入力内容にお間違いがないか今一度ご確認ください。

    関連記事