コンテンツマーケター0.5人月相当のリソース削減に成功!事例記事のクオリティと「言語化力」、そして事例取材の雰囲気作りが決め手に
- 事業規模:50〜99名
- 業種:バーティカルSaaS
- 課題:事例制作のリソースがない
株式会社primeNumber 山本 万里子氏
課題
事例記事を内製化するためには、コンテンツマーケターの0.5人月相当のリソースを費やすことになる
導入
導入事例制作を専門に扱っているからこそのクオリティの高さ
成果
導入事例制作をアウトソースすることで、他のコンテンツマーケティング施策に注力できている
「あらゆるデータを、ビジネスの力に変える。」をビジョンに掲げる、株式会社primeNumber。データが爆発的に増えていく時代に、誰もがすばやく、簡単にデータを使える環境を構築し、データ活用までのプロセスを最適化。高度なテクノロジーと独自のアイデアで、世界中のビジネスを支援しています。同社の主力サービスであるデータ基盤の総合支援サービス「trocco®︎」は2023年10月にリリース5周年を迎えました。また、ソリューションサービスでは、データ利活用にまつわるステップを一気通貫でサポートしています。
同社のサービスはデータ活用の支援という専門的な領域のプロダクトであることから、その提供価値を言語化するためにもコンテンツマーケティングに力を入れています。今回は同社のコンテンツマーケターとして活躍する山本 万里子氏に、導入事例を制作する上で意識していることやモジカク社との取り組みについて、お話を伺いました。
<お話を伺った方>
株式会社primeNumber
マーケティング本部 コンテンツマーケター
山本 万里子氏
目次
事例記事の目的は、他社の課題に共感し、自社が抱えている課題を自分ごと化すること
「マーケター」という肩書に対して、「コンテンツマーケター」はまだまだ珍しい存在のように感じます。primeNumber社のマーケティング本部において、コンテンツマーケターはどのような存在なのでしょうか?
山本 万里子氏(以下、敬称略):私はコンテンツマーケターという肩書で入社しているのですが、担当しているマーケティング業務はとても幅が広いことが特徴です。ざっと施策をいくつか挙げていくだけでも、検索上位表示を狙ったコンテンツ制作(SEO)やセミナーやイベントのレポート記事制作、そして事例記事の制作などが私の担当範囲です。
少し変わったところでは、UGC(User Generated Contents:企業側ではなく、ユーザー側が自発的に制作、発信するコンテンツ)を増やしていくことにも取り組んでいます。たとえば、エンジニア向けの情報共有プラットフォームで「trocco®︎」に関するコンテンツを作成していただけるように、ユーザー向けにキャンペーンを実施したり、ユーザー自らが発信していただけるようなコミュニケーションをとったりしてます。
さまざまなコンテンツマーケティング施策がある中で、導入事例コンテンツにはどのような狙いがあるのでしょうか?
山本:「trocco®︎」やソリューションサービスの導入・利用を検討しているお客さまが、導入事例コンテンツに書かれている他社の課題に共感し、自社が抱えている課題を自分ごと化していただけることを目指しています。ただ、お客さまがどの事例記事に共感するかは、業界や事業のフェーズ、担当者の好みなどによって大きく左右されます。だからこそ、できるだけ多種多様な事例記事を用意することが重要だと考えています。
山本:まず基本的な業界軸、データ活用の課題軸による作り分けです。業界によって取り扱うデータは大きく違い、データの活用方法にも違いがあります。
その他にも企業規模やデータを扱う部門によっても違いはあるのですが「データを活用して何がしたいのか」というポイントで、事例記事を網羅しようと考えていますね。たとえば、「データを活用して経営の意思決定をしたい」「データを活用してマーケティングを成功させたい」といった項目です。ただ事例記事を作り続けるのではなく、これらの作り分けを意識し、網羅されている状態を目指しています。
読者にとって分かりやすい内容かを重視。社内の営業や既存のお客さまにも好影響
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山本:読者にとって、分かりやすい記事であることを心がけています。サービスを提供する側の私たちが伝えたいことが強すぎて事例記事が独り歩きしないように、primeNumberが提供するプロダクト・サービスは何ができるサービスなのかが分かりやすく伝わる内容になっているかを重視しています。
また、データ活用で悩みを抱えている人にとって、課題解決の糸口になる事例記事になっているかも大事なポイントです。そのためにも、お客さまとの取り組みをただ記事にするのではなく、しっかり課題解決ができているのか、どうして課題解決ができたのかを分かりやすく示せているかどうか、事例取材の前段階から記事のストーリー全体を想像してから取材に臨むようにしています。
「trocco®︎」の導入やソリューションサービスの利用を検討している層以外には、どのような読者がいるのでしょうか?
山本:primeNumber社内の営業がよく事例記事を読んでいますね。営業担当も自分が担当するお客さま以外の事例を、深くまで把握する機会はなかなかありません。事例記事を介して社内でノウハウやケースが共有されることで、よりお客さまにとってメリットのあるご提案ができるようになっているのではないでしょうか。
また、事例取材に同行するなかで感じたのですが、事例記事を作成することは、取材を受けてくださる既存のお客さまとの関係性を深める効果があるように感じることもあります。たとえば、完成したお客さま自身の事例記事を読んでいただいた後に「今回お話しいただいた内容を、ユーザー会やセミナーでもお話しいただけませんか」とご相談すると、以前よりも許諾を得られやすく感じます。
「trocco®︎」の導入やソリューションサービスの利用を検討している層へのマーケティングだけでなく、既存顧客からのロイヤルティ向上施策としても事例記事は活用できるのではと思いますね。
取り組みの決め手はクオリティと「言語化力」、そして事例取材の雰囲気作り
山本:まず第一にクオリティです。私自身も執筆経験はあるため、時間をかけて頑張れば事例記事は書けなくもないと思うのですが、かかった時間と手間に対するクオリティが見合いません。やはりさまざまな企業の導入事例を制作されているからこそのまとめ方や記事の書き方は、プロにご依頼するからこそだと思います。
さらに取材内容の「言語化力」が高いことも、記事のクオリティに影響を与えているポイントです。事例取材ではインタビュイーが話したことをそのまま文字に落とし込めばいいように考えるかもしれません。しかし、お客さまは、インタビュアーである私たちがお客さまのご状況を多少なりとも知っているからこそ前提条件を飛ばして話していたり、話題の流れるままにお話しをしたりと、人の発言を記事にするには情報が足りないことがあるのです。
インタビュイーの発言を、ITの基礎知識や弊社のプロダクト・サービスの情報で補足説明したり、編集力で構成を入れ替えたりと、言語化する力が記事クオリティに直結しているなと感じます。
もう一つ私が重要だと考えているのが、事例取材当日の雰囲気作りです。立場が上のお客さまに対してカジュアルすぎる質問の投げかけ方だったり、インタビューに集まっている各ステークホルダーの関係性や立場をあまり理解していなかったりすると、安心して取材ができる雰囲気にはなりません。
モジカクさんの場合はビジネスマナーはもちろん、アイスブレイクの加減や質問の投げかけ方でお客さまに失礼だなと感じたことはなく、安心してお任せできます。また、取材先のお客さまによっては、ありがたいことに、背景やお考えを細かにお話ししてくださるが故に話題が広がりすぎてしまうことも珍しくありませんが、その後にしっかり事例取材の本筋にもどるようにしてくださるのも、安心できるポイントです。
コンテンツマーケター0.5人月相当のリソースを削減!月に1〜2本の事例記事を安定して公開
山本:もし弊社が導入事例記事の制作を内製化しようとすれば、少なく見積もっても私の稼働の0.5人月相当は費やすことになるでしょう。事例取材の段取り、質問項目の作成、取材の実施、取材内容の書き起こし、そして事例記事の執筆という工程だけでも、およそ2週間はかかってしまいます。結果、他のコンテンツマーケティング業務がその間は止まってしまい、マーケティング戦略にも悪影響が出てしまいます。
モジカクさんに導入事例制作を一気通貫してお任せできることで、現在は月に1〜2本のペースで事例記事を安定して公開でき、0.5人月相当のリソースを他のコンテンツマーケティング業務に振り分けることができています。
山本:記事公開後に「弊社のデータ活用の取り組みを記事にしてくださって、ありがとうございます!」との感想をいただいたことが特に印象に残っています。データ基盤の構築やデータ活用の仕組み作りは、どうしても事業の表面からは見えにくい縁の下の力持ち的な取り組みになりがちです。そうしたデータ担当の方の頑張りを記事化し、発信のお力になれるのは嬉しいですね。
最近では「私たちの取組みも事例記事化してください」と逆にご依頼を受けることもあり、高いクオリティの事例記事を作成したことで得られた成果のひとつだと捉えています。
今後は事例記事の制作だけでなく、発信やコミュニティでの活用にも力を入れたい
山本:「trocco®︎」やソリューションサービスの事例記事を探しているご担当者が、自社と近しいデータ活用の課題、近しいデータ活用の目的の事例記事に出会えるように、業界軸やデータ活用の課題軸での作り分けを今後も取り組んでいきたいと考えています。
また、事例記事を作成、公開して終わりではなく、データ活用に悩む多くの担当にも読んでいただけるように事例を発信していくことにも力を入れたいですね。たとえば、事例取材にご協力いただいた方に自社のデータ活用の取組みを発信していただけるようなセミナーやイベントに登壇いただくといった取組みは、さらに強化していきたいと思います。
中長期的には「trocco®︎」活用のノウハウをデータ活用の担当者同士が互いに共有しあえるコミュニティ「troccoUG」のグロースにも事例記事を活かしていきたいですね。データエンジニアリング・データマネジメントの領域は常に人手が不足しているため、データ活用業界全体を盛り上げ、誰もがデータを活用できるような世界を目指していきたいと思います。
山本:質の高い事例記事を作成したい、かつBtoBビジネスや、SaaS事情を理解している人に事例記事を任せたいと思っている企業にこそ、おすすめしたいと思います。
BtoBに限ったことではありませんが、企業にとってお客さまとの関係性は大切な宝物です。だからこそ、自社の宝物を安心してお任せし、事例記事化できるモジカクさんのようなパートナーとお付き合いすべきではないでしょうか。
株式会社primeNumber
https://trocco.io/lp/index.html
従業員数:約75名
主な事業内容:
■ データ基盤の総合支援サービス「troccoⓇ」の開発・運営
■ データテクノロジー領域の課題解決を実現するコンサルティング・エンジニアリングサービスの提供
大木一真/Kazuma Oki
株式会社サイバーエージェントに新卒入社。ビジネスメディア「新R25」立ち上げチームの編集者として参画。退職後、株式会社AViC(東証グロース)創業期より執行役員を務める。その後独立し、編集プロダクションであるモジカク株式会社を設立。Forbes JAPAN や MarkeZine 等のビジネスメディアやSaaS企業の導入事例を中心に執筆活動を行なう。
Twitter:@ooki_kazuma
facebook:kazuma.ooki